◆◆ 由無し事 ◆◆

心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば・・・・・

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似たもの同士 


前、播磨灘物語(二)は黒田官兵衛が織田信長に傾倒してゆくさまが描かれている。信長に拝謁した官兵衛は、「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ秀吉に会う。秀吉は官兵衛の才を認め、官兵衛も「この男のために何かせねばなるまい」と感じた。ふたりの濃密な関係が始まった。

ここで、黒田官兵衛は秀吉の軍師である竹中半兵衛と出会うこととなるのである。このことを司馬遼太郎は趣のある筆遣いで物語っている。

竹中半兵衛は、播州姫路において、官兵衛とはじめて会った。
(なるほど、似た者だ)
と、半兵衛が何より感じ入ったのは、官兵衛が自分の姫路城を清めて城下の武家屋敷ぐるみ、秀吉に提供してしまったことである。
――利のために武道をおこなうのではない。
ということは半兵衛の信条のようなもので、自分の利を中心に思考をめぐらせばかならず眼識が曇る、武道の面白味はおのれの利や立場を抜いて物事を考えるところにある、と思っているだけに、官兵衛のやり方がいかにもそれに相応していると思った。

(似たような者が、やはり居たのか)
という感動は、半兵衛において大きい。人は自分の欲得を追及するのあまり、頭をひねって手練手管を考えるものなのだが、この手練手管だけを独立させてそれをのみ考えるなど、いわば奇人の世界の精神作業といえるだけに、半兵衛は自分の存在に不安を抱き、孤独の思いも多少あった。ここで、同行の者を見出したということは、美酒が臓腑にしみわたるようなよろこびにひとしい。というより、おなじ道において倶に酔える相手を見出したということであり、さらに平たくいえば、はじめて友人をもつことができたということでもあったろう。

官兵衛のほうも、内心おどろいている。
かれは武道において利己心を除くということでは、半兵衛ほどに徹底して自覚した精神をもっていたわけではない。たとえば姫路城をさっさと空けて秀吉に呉れてやったという放れわざも、官兵衛のもつより大きな構想のためのものにすぎず、その点では半兵衛より俗っ気が多少多いといえるであろう。
もし設問できるとすれば、竹中半兵衛に対し、天下がほしいか、と問いかければ、かれは即座に欲しくないと答えるにちがいない。官兵衛はこの点、違っているであろう。かれはしばらく考えて、なによりも自然にまかせる、自分に稀有な運があり、それが自然にめぐってくるとすれば天下人になってもかまわない、と答えるにちがいなかった。両者の相違は、その程度といっていい。

さらに官兵衛のために言葉を費やせば、天下構想にいたるまでの大小の芸を自分は生涯をかけてしてみたいだけであり、それが自分の目的である。そのあげくのはてに天下が自分の足もとにころがりこんでくれば拾ってもよく、無論ころがりこんで来なくてももともとであり、自分の人生はそれなりに充足している、元来、天下の主になれるというのは天の意志としか言いようのない無数の条件の積みかさなりがなければならないが、その天の意志までは自分は足掻いてもとめようとしない、というところであるであろう。

ともあれ、それとは別に、羽柴秀吉はおそろしいばかりに幸運な男といわねばならなかった。この播州平定を目的とする信長の部将は、それまでの歴史のなかで幾人もいない天才的戦術家を、同時に二人もその帷幕において所有したのである。

豊臣秀吉の天下統一。名軍師と言われた、竹中半兵衛重治と黒田官兵衛孝高を抜きにして語ることは出来ない。この二人は、互いの才を認め合い、相手を信頼し合って、秀吉の天下取りを補佐したのである。二人の出発点がこの本で描かれている。秀吉が織田家の中国遠征総司令官に任じられた播州でのこの出来事からなのである。
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[ 2010/01/14 23:07 ] 読書 | TB(0) | CM(0)
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